さまざまなソフトが並走しつつ、有機的に連携し合うSTEP。なかでも学習向けに強化したEditTableは、やはり学校関係者からかなり注目されているようです。
「ある学校では、PowerPointを使って調べ学習をしていたのですが、あまりに自由度が高過ぎて、操作のテクニックで学習の差が出てしまう。その結果、先生は生徒が何を調べて、何を編集したのか分らなくなってしまったんですね。EditTableの構造は、どういう情報をもってきて、どう組み合わせて、何を考えたのかがわかる構造にしているので、先生方にはそこがよかったのだと思います。」
先進的な教育ツールを取り入れている箕面市(大阪府)は、EditTableのそうした特徴に注目、市内の小、中学校合わせて17校にEditTableの導入を決定し、2003年度に大規模な実験授業が行われるそうです。授業では太田さん自身が教壇に立ち、編集ノウハウ含めて指導するとのこと。金沢の中学校でも同様に実験が実際に行われる予定です。
MIYAKOや編集の国以来、情報単位をつくり、相互に連結させるというIPならではのアイデアを、学習プロセスの明示へとつなげた編集工学研究所の取り組み。情報という捉え難いものをいかに目に見える姿として示し、ハンドリング可能なものとして、編集という舞台へ送り込むか、太田さんたちはずっとそれに取り組まれているように感じました。
「IPを使ったツールを数々つくってきましたが、今後はこれらのツールをサポートする人材育成が大切です」と次なる方向性を語ってくださった太田さん。ソフトの中だけではなく、人間との連続・連携・連結を視野に入れるその根底には
いつも“情報はひとりじゃいられない”があるように思います。そうですよね太田さん!
|