『STEP』は、「SYNLA」「TextBook」「EditTable」「PowerSimulator」という4つのソフトからなっています。なかでも中核となる「SYNLA」はMIYAKOを理科学習版に発展させたもので、小学生版(サイエンスアイ)、中学生版(サイエンスライフ)、高校生版(サイエンスワールド)が製作されました。それぞれのインターフェースには年齢に応じた工夫がされ、たとえば小学生版では、「まるいもの」「とげとげなもの」といった形態の類似性から理科の学習に入る設計になっています。
MIYAKOでも紹介したオブジェクトの連想ボタンは、理科用に顕微鏡ボタン、解剖ボタンなどを加えて、27種類に増やされ(MIYAKOは5種類)、理科の情報にきめ細かく対応しています。
シーン画面では、山や森や田園の風景写真を、左右上下自由に移動し四季別に同じ場所の風景を見ることも出来ます。
柿の木の画面で、写真の一部をクリックすると、ヒヨドリが現われ、そこで「後先ボタン」を押すと、雛が何かを食べている画像と糞の画像が出てきます。「比べボタン」を押すと、糞に対してペリット(消化しきれないもので鳥が口から吐き出したもの)が画面に登場。ペリットの中にあるカワセミに興味をもったら、クリックしえカワセミのオブジェクトへと移動できます。「試しボタン」を押すと、カワセミの動画がスタートするといった具合です。MIYAKOのノウハウが存分に生かされています。
しかし、MIYAKOと大きく異なるのが、「とりカーゴ」と呼ばれる自分専用フォルダ。ここに気に入ったオブジェクト(PADになっている)を貯めておくと、後にEditTableで編集することが可能なのです。
「ESPを学習用に強化したEditTableは、SYNLAからもってきたオブジェクトをカードとして編集する舞台です。これらのカードを情報のまとまりに応じて、“はっとくパレット”に貼る。“はっとくパレット”はカードを三つ巴にして組み合わせるファーマットが基本になっています。この三つ巴がポイントで、編集的な思考を非常に促すんですね。次にこの“はっとくパレット”を上位の階層である
“なっとくボード”に貼ります。なっとくボードはレイアウトが自由にできるので、見つけたこと・調べたこと・新しい質問・まとめなどの項目を始めから用意しておけば、その組み立てが即、各学校・学級のカリキュラムとなるわけです。このような機能をもつEditTableは、先ほどの話で言うとパレットにあたりますね。」
さらに注目したいのが「PowerSimulator」というソフト。これは編集工学研究所が開発した世界年表を3次元でモニターする「クロノス」というソフトをインテリジェントボックスに移植したもので、歴史事象がひとつひとつのオブジェクトになっており、SYNLAのオブジェクトと合わせて、3次元空間で編集できるものです。著名な科学者や科学法則の歴史を調べるときなどに威力を発揮します。
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