「MIYAKOはクライアントオーサリング環境を重視したシステムとしては、かなりうまくいきましたが、編集性という要素は少なかった。」と語る太田さん。次に取り組んだのは、ネットワークなどの情報世界とクライアントの編集環境をどう組み合わせるかということでした。
「そこで生まれたのが、IPでつくったESP(エディトリアル・スコアリング・プラットフォーム)という編集システムです。レパートリー、カウンター、パレットという3つで構成されています。この3つは編集的な考え方を学習に使えないかという依頼が教育関係者から多く聞こえてきて、IT環境のなかで実現するのは、何が必要かと考えたときに生まれました。」
●レパートリー
世の中のあらゆる電子情報。テキストや画像、ムービー、CD-ROM。学習・編集に扱うための情報群。
「昔は、ノートと教科書、黒板だけでよかったけれど、パソコンを使ってうんぬんという話になると、相手にするレパートリーがものすごく増えます。」
●カウンター
ガイド・ナビゲーション機能。
「すし屋のカウンターを想像してください。板さんが何にしましょうとか聞いてきます。そしてヒラメが食べたいとか、あっさりしたものがいいとか、全部おまかせにするとか注文しますね。つまり、自分の興味はこれだ、そしてどうしたらいいかとお伺いを立てるわけです。板さんはもちろん自分のレパートリーを知っています。」
●パレット
カウンターと相談しながら、とってきた情報を組み合わせるための器・フォーマット。
「カウンターと共同でもつスコアに従って、パレットというのある情報構造を提供するわけです。スコアというのは、“順番”などの手続きのことで、NO,1を決めるときに使うスコア表のようなものですね。」
|