「プラットフォームが一つだけというのはつまらないですね。」と語るのは吉田さん。当初はマルチプラットフォームでMac版、Unix版も作られていたそうですが、現在は一番普及しているWindows版のみという現状。
「今一番考えたいのはPDA版なんです。PDAのパワーもかなり上がっていますし、IPの操作はペンでやるのに向いていると思うんですよ。場所を問わずに操作出来たら色々な用途や可能性が増え、爆発的に普及すると思いますね。」と、PDAのソフト開発を行ってきたご自身の経験からも説得力のあるご意見。なるほど、最近のPDAの普及振りをみると、その日も近いかもしれません。それなら、携帯電話ならもっと話が早いのでは?
「現在、携帯電話のコンテンツはバラバラだから、IP化されていればパソコン上で動いているようなコンテンツも携帯上で動かせるようになって面白くなるんじゃないかな。」と田中さん。PDAと同様に、段々小さいもの(ハード)でも高い能力を持って面白いことが出来るようになっていくと考えていらっしゃるようです。
「そういった可能性を持っている要素を一つ一つ実現していきたいですね。また、それをいかに多くの人に知ってもらうかが課題です。開発者はそういうのが苦手なんですが(笑)」とも。
田中さんは最後に次のような言葉を残されました。「IPCという中立的な組織を作って良かったと思っています。異なる業種の人々が、IPのことなら色々な情報を自由に交換し、教え合うことが出来ますし、コアなメンバーは皆仲良しで、飲兵衛で、何の理由もなく集まって呑んだりもします。実際エンジニアだけでは何も出来ないんです。色々な役割を持った人がお互いに出会うことが必要なんです。そういった意味で、作ったものを交換するIPは、出会いを作る道具でもあるのだと思います。」そんなIPCの飲兵衛たちには、後日IP座談会でひとしきり語っていただきました。
最後に、日立ソフトでの最先端のIP研究について伺いました。
「現在、最先端の研究としてIPを3次元化したBOXというソフトを、それを、バイオインフォマティックスに適応させて開発しています。」と田中さん。
教育に続く、日立ソフトのIP化の対象はバイオインフォマティクスの分野のようです。
生命科学とコンピュータ技術を橋渡しする分野として注目を集めている「バイオインフォマティックス」と3次元のIP。はかり知れない可能性を秘めたIPが、新しい分野の技術革新を担っていく可能性に大いに期待がもたれます。ビッグニュースが届く日が、今から楽しみです。
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