町田:私は、IntelligentPadがソフトウェア分野における携帯電話のような存在になってほしいですね。最初は肩からかけるほど大きかった携帯電話が、技術革新でサイズが小さくなった。次に同じ仕組みを使ったポケベルが出てくると、女子高生がそれを使ってメールを打ちはじめる。このメール機能が携帯に逆輸入されて、今では携帯電話で話をする人よりも、メールをする人のほうが多いくらいにまでなった。最初に携帯電話を考えた人だって、こんな世界が出現するとは思わなかったでしょう。アーキテクトレベルで多様なポテンシャルを秘めていたことが幸いして、使う側の工夫が技術として花咲いたんだと思います。IPもそれと同じような匂いがするんです(笑)。
宮脇:その意味で、今日ここに集まった出席者の責任は重大ですね。「口だけだ」なんて言われないようにしないと(笑)。ところで今日の話をみても、適度なつっこみや割り込みがあったおかげで話が盛り上がりましたよね。そのつっこみや割り込みをしている人の顔が、これまた生き生きとしていること(笑)。テーマ的に盛り上がる話題ではあったんですが、お互いの顔の表情や場の雰囲気みたいなものに触発されて、発想や話がどんどんと先に引っぱられていたような気がします。IPもまさにこの座談会のようなフェイス・トゥー・フェイスなツールになればいいなと思います。その時には、きっとポケベルのようにある程度の制約があったほうがコミュニケーションが盛り上がるでしょうね。それがどんな制約かは今の時点では分かりませんが、IPが相互編集のツールとして一般に受け入れられる鍵はそのあたりにありそうですね。
岡本:今まではフェイス・トゥー・フェイスというと、高速な回線や会議室システムということが言われていましたけど、実際に会議室システムに臨んでみると本当のフェイス・トゥー・フェイスからは遠ざかっていた感がありますよね。こうやって現実に顔をつきあわせているときは、どこかに場を盛り上げるためのエッセンスが隠れているはずです。それをIPに組み込めるたら、コミュニケーション分野での利用の道が拓けるかもしれませんね。
太田:今日は、文字通り日本のITを担う企業の中で、IntelligentPadを応援し続けてくださっているみなさんに集まっていただき、IPに託くす夢や可能性を存分に話していただきました。また、時代や社会のニーズの変化につれて、IPの期待がますます高まっていることも確認されました。まだまだ考えるべき課題や問題は多いですが、それを乗り越えて日本発のソフト基盤を世界に示せる日がそこまで来ていると思います。そのためにもIPコンソーシアムの担うべき役割というものが、今後ますます重要になってくると思います。ありがとうございました。
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