柏崎「お客さんの要求の本質を見抜き、その全体から部分を導き出す。ここが難しい!」
 



川原:
柏崎さんの言葉はすべて印象的だったのですが、なかでもご自身の仕事を「実際に私のやっていることはカウンセリング」と話していたのが新鮮でした。
吉田:
ビジネスとしてのソフト開発というのは、クライアントの思い浮かべている物と、自分がこれからつくろうとしている製品の差を最小限に留める作業。そのためには相手の要求をしっかりと理解しなければならない。
川原:だからカウンセラーのように対話を増やす努力をするのですね。相手の思考を分解して、システムに落とすために再構成する。まさにクライアントと開発者のキャッチボール!
吉田: それにPadはプロトタイピングが可能だから、適切な時点でユーザーに「これであなたの要望に応えていますか?」と確認できる。そこで失敗ならばその部分までをやり直せば良いし、OKなら進める。
川原: カウンセリングとプロトタイピングと製品開発を、同時に、しかもタイミングを上手くずらしながら進行していくということですね。凄い仕事なんですね〜!





吉田: 僕が印象的だったのは、「オマケをつけること、これを開発の際には必ずしている」という言葉ですね。その表現も意識も、やはり柏崎さんはユーモアのある独創的な人だなぁと感じました。
川原:オマケとはつまり、付加価値をつけるということですよね。ユーザーから依頼されたこと以外に何かひとつオマケをつける。そうすることで、そこからまた新しいアイディアが生まれて、製品そのものも予想しなかった発展を見せるそうですね。
吉田:これはまさにPadならではのメリットだと思います。Padならば、ひらめいたアイディアをすぐに部品として具現化できる。それを追加・編集して全体のプログラムに反映していける具現性を持ったツールがPadですからね。
川原:"オマケ"が全体の質とか雰囲気をガラリと変えてしまうだなんて、劇的な開発ですよね。そういえば、野口先生のデスクトップにあった"動く影"も、パワーのあるオマケだった。これからは、"オマケの時代"がやってくるんでしょうか!?
 
 
  柏崎「IPを一言でいうと、「道」。IP道はタオかもしれない(笑)。」