【ビジネス最前線に潜入!】  
柏崎「最初はIPを"Internet Protocol"と間違えていたほどです(笑)」
 
IPの基礎と応用研究例を学んだふたりは、今回、企業のなかで開発されている最先端のIP事情を知るべく、札幌にある(株)シーズ・ラボさんを訪問しました!高校や大学の研究室で行われているIP研究とはひと味違ったお話をしてくれたのは、シーズ・ラボでPadを利用したプログラム開発をしている柏崎公生さん。さまざまな製品をつくりだしてきた経験とともに、プログラマーとしてのIP考を語ってもらいました。






川原: シーズ・ラボは、"札幌バレー"とも呼ばれている場所にオフィスを持つ会社。同じビルの一階には「たこつぼ」のお店があったりして、社内に入る前から「何か起こりそう!」という予感がしていました(笑)。
吉田:実際の企業のプログラマーとして活躍されている柏崎さんにお話を聞けるということで、僕も気持ちが高ぶってしまって。はやる気持ちを押さえてまずはIPとの出会いからお話してもらいました。すると、「僕はここに来るまではバイク屋をしていたんです」という驚くべき発言から始まって・・・

川原: そう!コンピュータの世界にいる人は、学生時代からずっとコンピュータだけを追求していると思っていたので、元バイク屋さんというのは驚きました!でも柏崎さんの新鮮で躍動感のある話を聞くうちに、「逆に他の分野を知っている人の方が、たくさんの角度から物事を関連づけることができるので、新しいことを生み出せるのだろう」と納得してしまいました。
吉田:パッドとの出会いは6年前、シーズ・ラボに入社した際、入社早々に「IPをやってもらうから…」と言われ、IntelligentPadではなくInternet Protocolの本を買ってきたとか。入社前はプログラミングについては何も知らなかったけれども、逆にプログラミングの最初に触れたのがPadだったので、かえって開発者として良いスタートになったと言っていたのが印象的だったね。

 
柏崎「初心者の僕が思いがけずIPコンテストで受賞。それからIPの深みにはまっていった(笑)」
   
柏崎「ちょっと造って動かして試す、この繰り返しでシステムが出来上がっていく。」



吉田: 柏崎さんはバイクとIPの妙な共通点も見つけたそうです。それが「オブジェクト指向」というIPの特徴の一つ。いきなりバイクを目の前にドンと置かれて「さあ動く仕組を言ってみなさい」といわれても分からない。だけど、ボルトやナットなどそれぞれの部品を渡されて初めてどの部品がどの機能をしているかが分かる。
川原:なるほど、IPも部品ひとつひとつをばらしていけば、どんなに大きなシステムでも原理が分かるということよね。
吉田:トップダウンとボトムアップという対立する考え方があるけれど、IPはまさにボトムアップ方式。ステップを踏んで全体にたどりつけるんだね。
川原:柏崎さんは、「普通のプログラミングというのは、言うなれば"ずっと目隠しされた状態で、ゴールするまでは何ができるのかが分からない。これに比べてIPは、ステップステップごとに、部品単位で検証できる。」と分かりやすく説明してくれました。パッドは試行錯誤ができるということですよね。