川原:伊藤さんのデモを見ていると、「IPで本当にこんなことができるの!?」と思うことだらけ。データや画像だけでなく、サービスまでパッドにして持ってくることができるなんて!私なら、旅行するときに行きたい目的地の地名を入れるだけで、そこの週間天気、気温、交通機関の種類、時刻表、名所、宿泊施設など、自分の好きな情報だけで組み合わせた、そんな自分だけのサービスパッドを作ってみたいなぁ。
吉田:案外、簡単にできるかもしれないよ。タグ単位で自由に切り貼りできるので、テキスト・データ・写真・映像・サービスなど、すべて同じように編集できるからね。例えば、「何かを検索して、その結果で得られたデータをエクセルの表にする」などという作業もひとつのパッドで実現可能だよね。
川原:ルーチンワークをIPで処理できるというメリットが嬉しい。大学の課題なんかも、パッドを使えば便利そうですよね〜(笑)。
吉田:また、そのような個人個人が新しくつくった合成サービスをHTML化することもできる。これを「フラットニング(平坦化)」と呼んでたけど、これができれば情報の流通・再配布も達成できて、まさにパッドがミームプールとして活躍できる、というわけだね。
川原:この後、インテリジェント・ボックスを見せていただきました。Padの3D版ですね。シーズ・ラボの柏崎さんに見せてもらったマジック・キューブと同じ考えですよね。日本地図上に地域別のキャベツの生産量や漁獲高が3Dグラフで表示されるデモでは、長野に近づくと長野の過去から現代までの生産高の移行を示すグラフが登場するなど、色々な角度、視点から情報を見ることができて、新たな発見や多様な分析が可能になる。
吉田:編集工学研究所と一緒に進めている歴史事象を3D空間に表示する「クロノス型システム」は、ゴッホの個人史を立体空間で見ながら、別の窓からのぞくと、ゴッホが生きていた時代のフランスの主要な歴史事項の新たらしい窓が開いたり・・・これは何かに似ているぞと感じたんだけど・・・そうそう、アマゾン・ドット・コムのリコメンデーションシステムだ。開発の現場で感じた「余力をクリエイティブな方向に」持っていけるというPadの特性は、サービスを利用する人にも当てはまると直感しました。
川原:Webコンテンツを持ってきてサービスを編集する、さらにそれを再流通する。データ間のつながりや関係を多様に表現する。IPはいったいどこまで行くんでしょう・・・。
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