ライセンス管理システム



−デジタルコンテンツの交流と流通を目指して−



システムの概要

 IntelligentPad(IP)ライセンス管理プラットフォーム(※)は、デジタルコンテンツ流通のための全く新しいプラットフォームである。

 これまでデジタルコンテンツ流通の障害となっていたのは、課金の問題と、著作権保護の問題の主に二点であるといわれていた。この中で、課金の問題は近年の研究開発の結果、技術的にも解決の目処が立ってきている。しかし、著作権保護の問題には、コンテンツ保護、ライセンス付与、著作人格権保護など、いくつもの解決すべき課題があるため、決め手となるようなシステムはなかった。また、発表されている数少ないライセンス管理システムも、コンテンツ保護が不十分であったり、逆に、コンテンツ保護に力点を置き過ぎたため利用者の利便性が損なわれるなどの問題点を抱えているものが大半といえる。

 IPライセンス管理プラットフォームは、十分なコンテンツの保護を行ないつつ、ベース技術となったIntelligentPadの特色を最大限に活かすことで、コンテンツの再利用/再編集による二次利用をも視野に入れた世界初のシステムといっても良い。

 IPライセンス管理プラットフォームは、現在鋭意開発中であり、1999年1月の完成を目指している。完成後には、IPライセンス管理システムに基づく製品を利用できるほか、IPライセンス管理システム開発用APIの公開を予定しているので、本プラットフォームに準拠した独自のライセンス管理システムを開発する事が可能になる。

※IPライセンス管理プラットフォーム(仮称)は情報処理振興事業協会(IPA)高度情報化支援ソフトウェア育成事業の一つとして開発されている。


システムの特徴
IPライセンス管理プラットフォームの特徴は以下のような点だ。
  • コンテンツの再利用/再編集が可能
  • 日本生まれの独創的技術
  • コンテンツの種類を問わない
  • 多様なビジネスチャンスを提供
 コンテンツの再利用/再編集が可能というのは、コンテンツの保護(複製、実行、印刷等に対する許諾及び課金)を保証しながら、コンテンツを自由に素材として組み合わせ(二次利用)、組み合わせて作成されたコンテンツを流通させることも可能という意味。作成されたコンテンツの権利はもちろん、その部品となったコンテンツの権利も最後まで保護することが可能なのだ。

 また、IPライセンス管理プラットフォームのベース技術であるIntelligentPadは、北海道大学の田中譲教授により開発された日本生まれの独創的技術であり、日本国内はもとより、海外でも高い評価を得ている。その先駆的アイデアは、JavaBeansなどの後発のシステムの登場に伴い、再び脚光を浴びつつある。

 コンテンツの種類を問わないということは、このプラットフォームの規約に従えば、どのようなコンテンツも流通可能であるということを意味している。本プラットフォームでは、コンテンツをメディアコンテナと呼んでいる一種のソフトウェア的な箱に入れて保護するが、コンテンツの種類毎に作成されたメディアコンテナを利用することで、クリエータやユーザは様々な種類のコンテンツを扱う事ができる。

 IPライセンス管理プラットフォームはオープンな技術であるため、多様なビジネスチャンスをもたらす。ここでオープンであるとは、仕様(開発用API)を公開する事で、開発環境さえあれば誰でも新しい機能を持ったメディアコンテナや課金システムを開発することができるという意味だ。例えばメディアコンテナでは、電子透かしなどの著作権保護技術や、より強力な暗号技術の採用など、開発者の特色を活かしたメディアコンテナの開発/販売が可能である。同様に、課金システムに関しても、SETなどの標準プロトコルや、独自プロトコル、独自暗号システムを用いた課金システムを開発し販売することも出来る。
 このように、IPライセンス管理プラットフォームでは、課金も含めたライセンス管理に必要な共通機能を抽出し、この機能をAPIとして標準化していく事も大きな狙いの一つである。

 下の図は、IPライセンス管理プラットフォームにおける単純化したビジネスモデルである。


IPライセンス管理プラットファームのビジネスモデル
図 IPライセンス管理プラットフォームのビジネスモデル




コンテンツプロバイダ
■ ブローカー
■ ユーザ
■ システムインテグレータ







Copyright (C)1997-99 IntelligentPad Consortium