ブローカー |
ライセンス管理プラットフォームを用いたコンテンツの流通 ライセンス管理プラットフォームは、商社・卸・小売などのブローカに対して、強力かつ柔軟なビジネスモデルを提供する。ライセンス管理プラットフォームは、コンテンツの再利用(二次利用)を視野にいれた世界初の実用システムであり、現在注目されている超流通(自由な配布と利用による課金)の実現も可能な仕組みを持つなど、最先端のコンテンツ流通システムであるといえる。また、課金システムや暗号化システム自体はプラットフォームから独立しており、ブローカーの持つノウハウや技術を組み込むことができ、さらに、技術の発展と共にバージョンアップが容易であるとの特徴をもつ。 このようにライセンス管理プラットフォームは柔軟なビジネスモデルを提供するが、より具体的には主に次のようなビジネス要素が考えられる。実際の事業化にあたっては、これらの要素をどのように組み合わせるかがブローカーにとっての差別化であり、また付加価値の源泉となろう。 (1) 権利管理 ライセンス管理プラットフォームの上では、コンテンツプロバイダが制作したコンテンツは裸の状態では存在せず、常にメディアコンテナと呼ばれるソフトウェア的な箱の中に暗号化され保存される。ライセンス管理プラットフォームはコンテンツを実行するときだけ、暗号化されたコンテンツを復号化しメモリ上で実行するので、ユーザーは裸のコンテンツを操作することができない。また、このメディアコンテナには著作者の情報が保存されると共に、ブローカーが設定した情報(価格、決済方法、許可される動作、等)が保存される。 ブローカーは、コンテンツプロバイダとの契約に基づき、ユーザに対するライセンス許諾のポリシーを設定、また、利用ログに基づき利用料の回収とコンテンツプロバイダへの分配を行う。 また、ライセンス管理プラットフォームにおいてはコンテンツはIDによって一意に識別される必要が有るので、このIDをIntelligentPad Consortiumが定める基準に基づいて管理することも事業として成立しうる。 (2) 配信 ライセンス管理プラットフォームは、コンテンツの配信形態を規定しない。つまり、ブローカーはCD-ROMなどのパッケージによる配信でも、Webなどのネットワーク型配信でも実現可能である。但し、ライセンス管理プラットフォームは配信形態を規定しないが、配信のための箱=メディアコンテナをコンテンツの種類(ドキュメント、音楽、画像等)に応じてブローカーが用意する必要がある。例えば、MPEG用のメディアコンテナなどだ。どのような機能を持ったメディアコンテナを提供するかは、ブローカーの差別化の大きな要因になるだろう。 (3) 決済 ライセンス管理プラットフォーム自体は決済方法を規定しない。つまりブローカーのニーズに応じた決済方法の選択が可能になる。具体的にはライセンス管理プラットフォーム用の課金モジュールを開発し、ユーザに提供することになる。ユーザは複数の決済方法を選択できるが、どの決済方法が認められるかはメディアコンテナの中で指定されている。従って、ユーザの利便性を考えればブローカは複数の決済方法に対応するのが望ましい。 決済方法としては以下のような選択肢の組み合わせが考えられる。
ライセンス管理プラットフォームの特色の一つは、以上の要素を単独で事業化する事ができる。つまり、決済だけを単独で事業化することも可能で、その場合は、他の事業者に対して決済サービスを提供することになる。 また、本システムを利用するコンテンツプロバイダはバラエティに富むことが想定されるため、必然的にブローカーが提供することのできるサービスの種類も多い。例えば、コンテンツプロバイダが個人の場合、配信は自分でやるが決済と権利処理だけのサービスを受けたいなどである。 ライセンス管理プラットフォームを用いたコンテンツ流通の事業化に際して最低限必要なのは以下のものである。
■ IPCのライセンス管理システム |