【Edit Table】

IPを使ってつくられた、編集工学に基づく学習支援アプリケーション。「なっとくボード」、「はっとくパレット」、「しっとくカード」の3段階の情報階層のそれぞれで、編集フォームが工夫されている。情報の最小単位「しっとくカード」は、表裏の対情報として流通する。編集成果をHTMLファイルとして書き出しも可能。学習プロセスを明示化するソフトとして、教育関係者から大きな支持を受けている。



【太田】前回のIP探訪記でお話しましたが、文部科学省の予算で、2002年に「STEP」という理科学習システムをつくりました。「STEP」は大きく分けて、情報群である「レパートリー」、ナビゲーションをする「カウンター」、取ってきた情報を編集する「パレット」という3段階のシステムに分かれていますが、このなかからパレットの部分の考え方だけを取り出し、IPでつくったのが「Edit Table」です。もともとは、「編集の国」プロジェクトで開発した「ESP」というソフトがベースになっています。コンテンツ流通と編集プロセスを融合させた編集プラットフォームというコンセプトです。「Editみのお2003」では、このEdit Tableが中核となりました。


【太田】「Editみのお2003」がスタートしたのは、2002年まで行われた国のあるプロジェクトで「編集」を絡めた実験授業を行ったことがきっかけです。そのときにご一緒した先生方から「編集」という考え方が面白い、続けて欲しいという要望をずいぶんいただきまして、2003年に総務省の「e−まちづくり交付金」制度のモデル事業として、箕面市教育センターと大阪のディーネットという会社といっしょに立ち上げることになりました。プロジェクト名でもわかるように「編集」を中心にすえたIT活用のまちづくりモデル事業ですね。地域の教育センターがここまで「編集」というコンセプトを理解して実現したプロジェクトははじめてですね。
「Editみのお2003」の柱になっているのは「ツール・ロール・ルール」です。これを編集工学研究所では「ルル三錠」と呼んでます(笑)。Edit TableをはじめとするIT活用がツールとして中心的な役割を担いますが、ツールをそのまま使うだけでは、何かが生み出されるわけではありません。「Editみのお2003」ではロール(人の動き・役割)やルール(仕組み・取り決め)まで含めた全体のモデル化を目標にしていて、箕面市の地域文化を面白く活性化しようというのが狙いでした。この「ツール・ロール・ルール」の考え方は、IT利用においてはとても大事なコンセプトで、教育でも、地域活性化でも、企業相手のプロジェクトでも、コミュニケーションが関わる場合はいつも念頭においています。
 



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