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  What's New

Topic #1 ---------------------------------------------------- ◇

・ 99年度 IntelligentPad Consortium総会終了 ・・・Topic #1
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1999年度IntelligentPad Consortium(略称:IPC)総会を5月28日(金)15:20より、北海道大学知識メディアラボラトリにて開催し、前年度事業と決算及び今年度の事業案と予算案が承認されました。これにより、今年度のIPC事業が晴れてスタートします。

総会に先立ち、「情報システム:環境と資源」と題して、2010年の予想される情報システム 環境について、田中譲北海道大学工学部教授の講演が行われました。この中で、田中教授 は、マルチメディアコンテンツやソフトウェアなどの知的資材を統合した形で使用することが困 難な現状について触れ、これを受けて、昨年度の3つの開発プロジェクト(Piazza,ライセンス 機構、京都デジタルアーカイブ)の成果物をより発展させ、統合された新しい情報システムの 実現を提言されました。

続いて、上記各プロジェクトについて、担当者よりデモを交えた成果発表を行いました。

総会では、A会員21社中、13社の参加があり、欠席で委任状を提出したA会員を含めると、 19社が出席。道内のA会員企業、(株)ニュートラルの川辺春義氏が議長を務められ、昨年 度の事業報告、決算及び今年度の事業計画案、予算案は、会員の全会一致で承認されました。

今年度IPCは、昨年度の開発プロジェクトの成果物を活かす形で、「広報普及と開発」に重点 を置いた活動を行います。具体的には、既存の開発成果物に改良を加えながら、積極的に 外部に公開することにより、IPの可能性をより広くアピールし、更なるプロジェクトやビジネス 化の実現にこぎつけることを目標とし、この1年の活動をスタートします。


総会
日時:1999年5月28日(金) 15:20〜16:20
場所:北海道大学 工学部  知識メディアラボラトリ
札幌市北区北13条西8丁目

懇親会
日時:1999年5月28日(金) 17:30〜19:00
場所:ファカルティハウス エンレイソウ内   「レストランエルム」
札幌市北区北11条西8丁目
   法人、個人、名誉個人会員を含め約30名が出席


Topic #2 ----------------------------------------------------- ◇

・桂信雄札幌市長への京都デジタルアーカイブデモ ・・・Topic #2
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去る5月27日(木)に、札幌市役所市長会議室において、井村貞夫運営委員長を初めとする 開発担当の会員企業から4名が参加し、桂信雄札幌市長に「京都デジタルアーカイブ」を披 露しました。

札幌市は、IntelligentPad Consortium(略称:IPC)設立の平成5年度より、IPCの事務局を担当する(財)札幌エレクトロニクスセンターを通じ、IntelligentPad(略称:IP)の開発、普及、ビジネス化を支援しています。この度札幌で総会が行われることもあり、IPの成果発表として既に完成している「京都デジタルアーカイブ」を披露することとなりました。札幌市長へのIPのデモは今回で2回目で、前回は平成9年10月6日に市本庁舎において、IPを使った地図システムのデモを行っています。

説明担当者からは、京都デジタルアーカイブの柱となる思考構造について、また、他の既存 のアーカイブと異なり、容易に追記が可能な上、個人の発想をベースにデータを編集すること が可能という、IPで開発したからこそ実現できた特徴についてアピール。この仕組みを他の データベース編集に応用することももちろん可能で、「是非とも札幌市が所有するコンテンツを 利用して、このようなアーカイブ制作に利用してもらえれば」と、さりげなく市長への売り込み も怠りませんでした。

市長は、データの収集について質問された他、「これまでの羅列されるだけでなく、自分の思 いで(アーカイブの内容が)広がっていくのが面白い」との感想を述べられ興味を持たれたよう でした。また、今後の発展の方向として、子供向けのツール(インターネット砂場)を提案する 予定であるとの報告に対し、市長からは、「*市の5ヶ年計画を立てる際の行政事務に向いて いるのでは」とのコメントをいただきました。

30分ほどの市長との話の中で、IPの特徴を良く理解されているという印象を持ちました。今 後これを機に、実用面での進展を期待したいものです。


                    記

桂信雄札幌市長への京都デジタルアーカイブデモ

日時:1999年5月27日  14:30〜15:00
場所:札幌市役所本庁舎 市長会議室



Topic #3 ----------------------------------------------------- ◇

・APEC投資博覧会(韓国ソウル市)にてIP資料配布 ・・・Topic #3
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APEC(Asia Pacific Economic Cooperation)の投資博覧会が去る6月2日〜5日まで、韓国 ソウル市にて開催され、事務局を勤める札幌エレクトロニクスセンターから2名の職員が参加 し、会場にてIntelligentPad(略称:IP)の英語版プロモーションビデオを流し、資料(英語版)を配布するなどの普及活動を行いました。

昨年11月のAPECの首脳会議において、韓国の金大統領から提案されて開催されることに なったもので、本博覧会ではAPEC参加の21カ国・地域が集い、投資や経済の活性化を図る ため、様々なプログラムが執り行われました。

日本では、通商産業省、JETROが主体となって参加し、日本パビリオンを設置。その中で日 本各地のスペース割り当てがあり、北海道スペースは、北海道通商産業局が主体となって、 道内の投資環境や、製品、観光資源などの情報提供を行い、IPの資料配布、ビデオの放映 は、その一環として行われたものです。

開催準備期間が短かったため、来場者数は期待したほどではなかったようですが、IPの資 料は、他の資料より持ち帰る人が多かったとのこと。昨年度、ヨーロッパへの足がかりを掴ん だIP。この次はアジア・太平洋地域にネットワークが広がれば良いと期待が膨らみます。

APEC投資博覧会
日時:1999年6月2日〜5日 10:00〜17:00
場所:韓国ソウル市 COEX太平洋館1F


Topic #4 ----------------------------------------------------- ◇

・ライセンス機構、IPA成果発表展示会に出展 ・・・Topic #4
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報告:田中 一之(企画室)

5月26日、東京・台場のホテル日航東京において、情報処理振興事業協会(IPA)の高度情報 化支援ソフトウェア育成事業・電子商取引共通基盤整備事業及び先端的情報化推進基盤整 備事業に係る成果発表展示会が開催されました。昨年度、IntelligentPad Consortium(略称:IPC)会員により開発したライセンス機構は、高度情報化支援ソフトウェア育成事業の採択物件であり、同日の展示となった次第です。

この高度情報化支援ソフトウェア育成事業は、産業分野の情報化を推進するとともに、高度なデジタル技術の活発な創造・活用が行われるような環境の整備を図ることを目的とし、デファクトスタンダードに発展する可能性の高い技術をはじめ、独創的な技術シーズの実用化を図るデジタル技術の開発を行うものです。

今回の成果発表展示会には、開発に携わった会員の中から、富士ゼロックス、キヤノン、富士通、富士通静岡エンジニアリング、日立ソフトウェアエンジニアリングの協力を得て、2台のPCを持ち込み、常時3名の体制でデモ及び説明を行いました。

当日はIPAの当初の予想を大幅に上回る入場者があり、これらの技術に対する関心の高さを感じました。テーマによっては閑散としているところがあるにもかかわらず、ライセンス機構の展示は人が途切れることなく、また質問内容もすぐにでも利用したいという内容が多く、デジタルコンテンツの流通に関わる問題が切実であることがうかがえたとともに、早期に実用化すべき社会的使命を感じました。

さらにMMCAの青柳専務理事もいらして、「MMCAとしても非常に関心のある分野である」 との言葉をのこしていかれました。



Topic #5----------------------------------------------------- ◇

・北海道大学+多摩美術大学IP研究合宿 ・・・Topic #5
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   報告:河内 暢也(企画室)

「思考の道具としての研究開発」春の共同研究合宿の報告

1:概要


IntelligentPad(略称:IPC)を「思考の道具」とする目標の為に、思考や行動のプロセスを取り扱う技術について、多摩美、北大、IPC会員有志が共同研究開発を開始しました。

この研究をよりよいものとする為に、5月29〜30日の二日間、北海道大学、知識メディアラ ボラトリーにおいて、春の共同研究合宿をおこないました。

研究合宿では、IntelligentPad(略称:IP)を、Human-Computer Interaction(HCI) Designを軸としたソフトウェアとして位置付けることを考え、「旅」を課題として、そのプロセス、アプローチなどを探ることで人間を支援する「旅のプランニング」ツールの企画を模索しました。

これを実行する為に、参加メンバーを3つのグループに分け、各グループ単位でメンバーの知 識をぶつけ合い、まとめ、発表し、全員で評価するというプロセスを繰り返し行い、各グループ ごとにアイディアを練り上げる作業をおこないました。

また、各グループごとの作業アプローチが違っていることでグループ同士の良い触発が生まれ、これまでにないアイディアが抽出できました。

短い日程の中、それぞれ違う分野の専門家や研究者が、ひとつの目標の為に智恵をしぼり、場を共有したことは、非常に刺激的な時間でした。もちろん、共同作業の後の反省会が大変もりあがったことは、言うまでもありません。

このプロジェクトの目的は、ソフトウェアのデザイン研究開発の方法とHCI関連知識を学び、さらに、この結果をIPの InteractionとUser Interfaceに反映させるための方法、および技術の研究と開発を推進することにあります。このために、7月末より第2回、夏の共同研究合宿を行うことが決まりました。


2:進行スケジュール


1.5月29日

14:00-15:30
自己紹介>
IPとは 田中譲氏 (北海道大学)
interface designに関して 須永剛司氏 (多摩美術大学)
grouping

15:30-17:00
acting out:旅行計画をしてみる

17:00-18:30
presentation1:旅行計画の発表
1)旅行計画の内容
2)計画をどのようにたてたか:話し合いの内容

18:30-20:30
concept design:概念設計/デザイン
1)reflection:どのように計画をたてていたのか
2)機能抽出:ツールに必要な機能を挙げる
3)ツール全体イメージ

20:30-21:00
presentation2


2.5月30日

9:00-17:30
function design
prototyping

17:30-19:00
presentation3

19:00-21:00
後始末


3:各グループの作業


■groupA

Aグループでは旅行計画を立てる際、旅行の本質的な意味は何かという所まで話がおよび、「旅行は同行した者どうしがより深く知り合うためのものであり、目的地やそこでのイベントはそのための舞台装置である。」という結論に達ししました。ツールとしては旅行計画に限定せず、複数の者が討論を進めて結論 を出すための汎用的な物を作成しました。2次元の紙面に各人の意見を記述したカードをレイアウトしていきます。後にカードが貼られていく様子を時間順に再現したり、指定の発話者のカードのみ表示したり、特定のカテゴリーのカードのみ表示したりする機能を提供しました。
(A)acting out:旅行計画をしてみる
1)旅行計画の内容
カリフォルニアで夕日を見る
車で西海岸を走る。予算を押さえるために安いモーテル等に宿泊。

2)計画をどうやってたてたか:話し合いの内容
自分の行った旅行について
いきたいところを出し合う
旅行計画に必要な要素


(B)concept design:概念設計/デザイン

1)reflection、2)機能抽出、3)ツール全体イメージを行い、旅行に限定しない、「計画支援ツール」をつくることとした。

(C)function design/prototyping

「計画支援ツール」
-機能の整理
-プログラムに必要な変数の検討
-IPの構造の検討
-新しいpadづくり
-かたちの検討


(D)member (敬称略)
野口/釧路工業高等専門学校
岡本/富士通
鈴鹿/日立ソフト
藤間/北海道大学
大東/北海道大学
新国/
須永/多摩美術大学
小野/多摩美術大学

■groupB

旅行計画を進めていく中で意思決定に深く関わる場の「ノリ」を感じたBグループは、いかにして「ノリ」を具象化し、共有するかを議論の的としました。パッドによる試作では、議論の流れをその時点の場の「ノリ」と共に記録していくことを可能とする議論の可視化ツールの作成を行いました。また、「ノリのわかるコンピュータ」をキーワードにコンピュータが議論に対し積極的に「ノリ」を与えていく試みは非常に興味深い成果となりました。

(A)acting out:旅行計画をしてみる
1)旅行計画の内容
北海道周遊

2)計画をどうやってたてたか:話し合いの内容
-いきたいところを出し合う
-地図を見て、やりたいことを書き込む
-ルートの決定
-旅行計画に必要な要素


(B)concept design:概念設計/デザイン
1)reflection、2)機能抽出、を行い、計画段階で重要となる人間関係のつながりを支えるものをつくることとした。
-議論の大きな方向性を決定する
-場の嗜好データを収集する
-「ノリ増幅支援ツール」
-スロットマシンタイプ
-地図タイプ
-議事録タイプ/動く台紙


(C)function design/prototyping
「ノリ増幅支援ツール」
-ツール開発、かたち、機能に担当を分けてそれぞれ制作。制作しながら少しづつ内容を詰めていった。


(D)member (敬称略)
柏崎/シーズ・ラボ
河内/カングランデ
田中/北海道大学
中川/北海道大学
伊藤/北海道大学
村上/北海道大学
磯貝/多摩美術大学

■groupC

Cグループにおいては、行き先ではなく、何をしたいかを挙げて、それから、それらの要件を満たすルートを選定するというアプローチをとりました。そのプロセスを支援するために、意見を出してメンバーで共有する場、それをもとに旅行計画を編集する共有場、旅行計画をさまざまな角度からビューイング・編集するためのボックスの3つの道具を試作してみました。

(A)acting out:旅行計画をしてみる
1)旅行計画の内容
-日本海日本酒の旅

2)計画をどうやってたてたか:話し合いの内容
-自分の行った旅行について
-いきたいところを出し合う
-日程、ルートの決定
-旅行内容の決定


(B)concept design:概念設計/デザイン
1)reflection、2)機能抽出、3)ツール全体イメージを行い、計画段階から、実際の旅行、旅行から帰ったときまでを含んだ、旅行全体で使うための「旅行計画ボード+旅行編集ボックス」を考えた。
-意見をだすためのボード
-旅行計画ボード
-旅行計画ビューワ兼旅行編集ボックス



(C)function design/prototyping
「旅行計画ボード+旅行編集ボックス」
-必要なツールの整理/各ツールに必要な機能の整理
-意見をだすためのボード
-旅行計画ボード
-優先順位検討ボックス
-旅行編集ボックス←今回は検討項目外なのでやらない
-形の検討
-IPの構造の検討/つくりこみ


(D)member (敬称略)
田中/日立ソフト
榎本/カングランデ
赤石/北海道大学
輪田/北海道大学
新保/北海道大学
大塚/多摩美術大学
永井/多摩美術大学

*本稿をまとめるにあたり、多摩美術大学の永井氏の議事録を参考にしました。また、各プロジェクトの解説は、田中氏、鈴鹿氏、柏崎氏にお願いしました。
    (河内)



Topic #6----------------------------------------------------- ◇

・田中譲教授欧州へのIP普及の旅 第2弾 ・・・Topic #6
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田中譲教授が、6月6日〜20日までの日程でIPの普及活動を中心に、ヨーロッ パを 訪れます。

今回訪問する国は、ブルガリア、ドイツ、ギリシャ、フランスの4カ国。

前半は、ブルガリアで開催される国際会議に出席される他、ドイツでIntelligentPad(略称:IP)の普及活動を行い、IntelligentPad Consortium(略称:IPC)の名誉個人会員でもあるAndreas Stepan氏を訪ねます。後半は、現在北海道大学の客員研究員である、パリ南大学のニコラス・スピラトス教授と共に、ギリシャ、フランスを訪ねます。ギリシャはスピラトス教授の出身地で、クレタ島にある、ヨーロッパ最大のマルチメディア研究所や、アテネにある国内最大手の新聞社を訪問します。そして、今回の普及の旅の締めくくりは、フランスのパリ南大学の訪問となります。



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