Topic #1 ------------------------------------------------------◇
・ 第8回 IPワークショップ開催(報告)
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去る3月30日(金)に、IPワークショップが恒例となっている横浜市関内の神奈 川中小企業センターにて開催されました。 桜の花が咲く中ではありましたが、当日はあいにくの寒の戻りで参加者の方々には、
寒い中をご出席いただくことになりました。
8回目となる今回のワークショップでは「教育」をテーマとし、既に教育現場において 実際に取り入れている。あるいは、これから利用されるであろうIPの教育関連ソフトの興味深いプレゼンテーションが行われました。
また、意見交換会では教育現場にIPを導入して利用している先生から生の声を聞く ことができました。
以下に、「プレゼンテーション」「意見交換会」「パネルディスカッション」「講演」の要旨を紹介します。
** プレゼンテーション**
教育への応用(1)
「Hands on!! デジタル算数セットの開発
〜先生・児童が作って遊べる補助教材を目指して〜」
適用事例紹介、及びデモ: 田野 勝之氏・柳川 敏氏 @教育出版(株)
- 小学校低学年で、補助教材として使用している従来の算数セット(時計・積み木・おはじき・さいころ等)をIPを用い「デジタル算数セット」として開発中(来春の商品化を目指している)。
- 従来の製品は、児童の成長とともに不用となってしまうがIPを用いることで、他の用途への流用(算数セットとして以外)も可能となり、ライフサイクルの長い製品とすることができる。
- 児童毎にカスタマイズすることにより、それぞれの能力に合った学習が行える。
教育への応用(2)
「分散オブジェクトを利用した授業支援」
適用事例紹介、及びデモ: 野口 孝文氏 @釧路工業高等専門学校
- PC画面上において、電池と電球で電気回路を作図し、回路上の電球の点灯状態を表示する。回路を切ると電球は消灯し、電池を2つ直列に接続すると明るく点灯する。
- PC画面上において、バネと滑車とロープで力学モデルを作図し、バネと滑車の動 きを表示する。滑車の位置・数を変えることで、ロープを引いた時のバネの動きが変わる。
- これらの表示を、LAN上で他のPCの画面上でも同時に表示できる。この場合の送信データは、画像データではなく、個々のBOXの動きを数値化して送信している。
- これを使うことにより、実験準備に多大な時間を取られることなく実験環境(パラ メータ等)を自由に変え、その動作を確認することができる。
教育への応用(3)
「きりはり教室」
適用事例紹介、及びデモ: 尾川 薫氏 @日立ソフトエンジニアリング(株)
- 紙を切り貼りしながら、壁新聞を作っていく感覚で作品(マルチメディア・ドキュ メント)を創作できる。
- 以下を重点に置き開発を行った。
1.PCを道具として活用できる環境を提供する
2.すぐに使いこなせる
3.創意工夫ができる ・HTML化も容易に行えるほか、音声ファイルも貼りつけ ることができる。
- 既に商品化している。4月にはVerアップの予定で、希望者には評価版を送付する。
教育への応用(4)
「地域と学校をむすぶ学習プラットホーム」
適用事例紹介、及びデモ: 太田 剛氏 @(株)編集工学研究所
- 個人や学校のPC上のデータを「個人知」。学校のサーバ上のコンテンツ、博物館、 美術館、図書館等の公的機関のコンテンツを「共同知」。インターネット上にある
各種のHPを「世界知」と呼ぶことにする。
- また、博物館、美術館、図書館のサーバを「地域サーバ」と定義する。
- 地域(共同知)の各サーバが、うまくリンクしていないのが実状。
- 共同知のサーバをリンクさせ、学習に役立たせるための学習プラットホーム「クロ ノス」「カプタリウム」の紹介があった。
**意見交換会**
『教育現場で使ってみて』と題して、以下のような意見が出ました。
- IPを使うことで、児童の興味の度合いが高まると、自ら進んで学習することが できる。
- 教員自身がIPのカスタマイズを出来るようになるのが理想だが、現状では難しい のでバックアップの体制が必要。
- 教員のPCに関するリテラシーの向上が求められている。また、PCを使う際に 発生する準備、トラブル対応、更にはアプリケーションのカスタマイズを行う補助員が必要。
- これからの教育は、教える側の知識を「ただ単に、子供たちに移植する」だけで はなく、「考え方・調べ方・情報の入手の仕方」を教えることが重要となる。
**パネルディスカッション**
『コンテンツ流通はいかにしてビジネスになるか』をテーマに、「Web上でのコンテ ンツの価格決定を誰が主導権を取って行うのか?」を現在の音楽CDの例と対比して、
活発な意見が飛び交いました。
**講演**
『IPの新しい展開』をテーマに、田中 譲教授@北海道大学工学部から、IPのアイ ディアを思い付いた時のエピソードのお話に続き、IPを利用した「携帯電話の電界強
度のシュミレーション」「DNAの解析」の興味深いデモが行われました。
最後に、「IPをビジネスにつなげるためにはどうしたら良いか?」という問いを多く 受ける中で、「現状では、なかなかビジネスにつながっていないのが実状だが、早い時期
にきっと突破口になるモノが出て来ると思っている」という考えをお話いただきました。
今回のワークショップの総評として、プレゼンテーションで既に商品化されているもの、商品化予定にあるもの等の紹介があったように、IPもいよいよビジネスにつな
がっていくのではないかと実感することができました。
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会場でアンケートに答えて下さった方々のコメントを、一部掲載いたします。
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第8回IntelligentPad ワークショップ
日程:平成13年3月30日(金)
場所:神奈川中小企業センター 14階多目的ホール
第8回IPワークショップ会場にて
1. IntelligentPad にはどのような可能性があると思いますか?
- 地域情報の共有ツールとしての可能性に興味があります。
- 電子的な商品(製品)の取扱説明書への応用 ・ コールセンタ等のDB構築(日々の追記が容易に出来そう)
- 電子的な絵で見る百科辞典への応用
2. 今回のワークショップの感想をご自由にお書き下さい。
- パネルディスカッションがIP関連だけでなく、広い視点からのものであり、色々とためになった。
- 残念ながら直接現在の業務との接点を見出せず、具体的なPromotionを行えていませんが、IPには初回から関心を持ち参加させてもらっています。年々、成長していくIPに益々関心が高まります。いつの日か、何らかの形でRelationを築ければと期待しています。
--IPワークショップの様子はこちらをご覧下さい--
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