「機能が見えているから、より"直感的"にプログラムできます。」




吉田:野口先生がPadと出合ったのは1991年。PCの性能が向上する中、「色々なメディアを同じアプリケーションで動かすことが出来ないか?」と考えていた。ちょうどその時に、北大の田中先生の研究室で1年間研究をすることになり、Padの試作品に出会うんですね。すぐに「これだ!」と思ったそうです。
 
「思いついたら部品をどんどん作る。
後でそれらを組み合わせて好きに編集していけばよい。」
 


川原: 授業で使っているテキストを見せてもらいました。うっ、分厚い・・・。基本的な説明の後、実際にパソコンの画面で見せていただきました。マウスだけで簡単に操作できて、キーボードをほとんど使わないのが意外でした。先生の操作で、見る見るうちにパソコンの画面上に次々とパッドが作られていくんですよ。
吉田:実際先生のPCで起動したIntelligentPadは、何か画像編集のソフトのようだったね。今まで僕がC++などで触れてきた白いソースの画面とはまったく別物です。
川原:「IPの良いところをひとことで言うと?」という私の質問に、「物をゼロから作るのは難しいけれど、IPは部品が用意されていて、画面上で見えるようになっている。それを組み合わせることで、新しい物が出来ること」だと答えてくれました。
吉田: IPの基本は、パッドというオブジェクトが規格にそって作られているので、一からプログラミングをする必要がない。しかも目に見える形になっているので、レゴ・ブロックを組み立てるような感覚で扱えるというわけですね。さらに交換や再利用ができるなどという利点がある。この『基礎講義』で大体IPのイメージがつかめましたよ。