こうやって誰でも簡単に編集できるんだよ。
自分のオリジナル教材を作りながら学習できてしまうね
 
 




実際にIPで作った教材を見せて頂きました。
最初は、文化庁が地域に定住している外国人向けに出版した教科書をマルチメディア化した教材です。日本語の文章とそれに関連した画像があり、そのとなりにあるボタンを押すと、音声が出るしくみになっています。
これらはもちろん「きりはり教室」で作られています。留学生達はその部品を使って、文章と音声のみの教材にしたり、自分の撮った写真をつかったり、それぞれ自分に合った内容へと再編集して利用しています。
こうして色々な人たちが作った教材がたくさん出来てくるとそれを再利用したい、という要望が高まり、「きりはり教室」はインターネットにも対応しました。インターネット対応によって、さらにコンテンツの種類も増え、最近ではスペイン版の教材も作られているそうです。
次に、ゲレンデで微笑む女性の大きな画像がデジタルボードに映し出されました。留学生たちが作ったホームページです。この写真の上に、スキー場での場面を写した小さな画像がたくさん貼り付けられていて、そのひとつひとつがクリックで開けるようになっています。「留学生がHPを作るとなると文章による説明書きに偏りがちだけど、IPなら画像が簡単に扱えるから楽しいホームページができるんですよ。画像は重ねあわせるだけで、構造化されるから感覚的に雰囲気が伝わりやすい気がするでしょ。」と先生

 

1枚のゲレンデの写真から、楽しげなスキーシーンが何枚も飛び出してくる。
上はアメリカ合衆国の農業分布を調べ地図に整理したもの、下は日本のお寺を3ずつ比較しながらまとめている



 次に、学芸大学付属小学校の授業で小学生が「きりはり教室」で作ったものを見せて頂きました。アメリカ合衆国の地図上に各州の農業の分布を画像で示し、貼り付けたものでした。社会科の授業の中で、外国や、自らが住む町に関して発見したことを、地図という一枚の平面上で比較したり、ある一つの視点から調べたり、と自由に再編集して学習発表に使用しているそうです。
最近は色々な学校で「きりはり教室」をつかった授業が行われています。任都栗先生は、ある中学校の先生達とPowerPointと「きりはり教室」の違いについて話しをしたそうです。「そこで至った結論が、PowerPointは「紙芝居」でIPは「黒板」ということなんだな。」PowerPointは「紙芝居」のように一連情報が時間とともに流れていく。「きりはり教室」の場合は一枚のパッドという情報の上にいくつもの情報が同時に重なっていく。ここがポイントで、同時に重ねられるということは比較することが出来る。一連の流れだと比較することは難しく、子供にとっては理解しがたいものになってしまうのだという。