吉田:実際に開発現場を見せてもらった後、最後に柏崎さんに「IPの未来像」を聞いてみました。
すると、またまた興味深い話をしてくれましたね。「最大の理想は、"IPがOSになる"こと。さらに現実的に言えば、IPはもっと影をひそめるべき」と言っていました。
川原: 「今のIPはルール(rule)とツール(tool)の両方とも目立っている。IPには"モジュール化する"という揺るがないルールがあって、それこそIPと呼ぶべきもの。ツールの方はIPと呼ばない方が良いと思う」とも言っていましたね。
吉田:汎用的なツールをIPに求めるのではなくて、むしろMagic Cube+のようにある分野に特化したツール性を持たせたほうが良いのでしょうね。IPはコアエンジンとして使うには最適のアーキテクチャですし、だからこそトロンのような「見えないところで、実は動いている」存在になればよい、と柏崎さんは願っているようでしたね。

 

柏崎「Winのように自己主張するOSではなく、Padには"縁の下の力持ち"になって欲しい。」

 
 
 
 





川原:取材の最後に、(株)シーズ・ラボ代表取締役社長の山田二郎さんにお話を聞くことができました。
吉田:IPは、開発者専用のツールだとか、ノンプログラミングシステムだとかさまざまに誤解をされた一時期もあったそうですが、じわりじわりとその実力が現れてきたんですね。
川原:あと、「IPの研究開発をしている日立ソフトの田中一之さんや、編集工学研究所の松岡正剛さん、太田剛さんらをはじめとする"IP信仰者"(笑)の方々とともに歩ませてもらった」とも教えてくれました。IP道に邁進している人が、他にもたくさんいるんですね〜。
吉田: シーズ・ラボさんが手がけるこれからのIP開発は?という質問に、「これまでは製品開発のお手伝いをさせて頂いているという姿勢でしたが、これからは、どんどん仕掛けていく方にまわろうと思っている。IPの研究開発にとって、前面の力になる一員として活動していきたい」とお話くださいました。

 

山田「IntelligentPad開発の最前面で活躍していきたい。期待していてください。」