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Topic #1 -------------------------------------------------

・ 今年度IPCパッド開発プロジェクト「地域コンテンツ編集システム」(仮称)
企画案決定 ・・・Topic #1
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今年度のIntelligentPad Consortiumパッド開発プロジェクトである「地域コンテンツ編集システム」(仮称)についてこれまで技術委員会、企画室にて立案作業を進めて参りましたが、以下の内容でプロジェクトをスタートさせることとなりましたのでご報告いたします。
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1999年度IPCパッド開発プロジェクト

1.背景

平成5年より、通商産業省と文部省が進めてきた「100校プロジェクト」に代表される通り、 教育の場へのパソコンやインターネットの導入が進められている。これまで、このプロジェクト では、インターネットを利用した情報の発信、学習成果の発表、ネットワークを利用した情報 の収集や意見交換、海外の学校との国際交流などが行われてきた。現在、この環境を殆ど すべての学校で実現させるべく、学校へのネットワークサーバーの導入が図られており、今 後教育分野への本格的なデジタル化の動きが始動する。

ところが、学校にパソコンやネットワークの敷設が進められてはいても、どのような題材をどの ような目的で、どう教育に利用するのかという肝心な点について、未だ具体案が提示されて いない。ハードウェアは整いつつあるが、重要なコンテンツの部分が未整備の状態である。 今後教育現場に登場するネットワーク環境を、どのような形で教育に活かしていくのかにつ いての検討が急がれる。

一方で、地域文化のデジタル化の流れは、依然として要請は強く、特に近年、日本文化の 見なおしの機運もあり注目度も高い。これまで「ハイパー風土記」などに代表される、さまざ まな試みがなされてきたが、インターネットの普及により、従来のコンテンツ蓄積の発想だけ では対応できなくなってきている。コンテンツの再利用・再流通まで視野に入れたモデルが 必要となっている。

そこでIntelligentPad Consortiumでは、この点に着目し、今年度のパッド開発プロジェクト において地域情報を収集・編集・共有するための編集システムの開発を行い、そのシステム を利用しながら、小学校中学年〜中学生を対象に、ネットワーク上で子供たちが自発的に学 び交流する場及び学習教材となるコンテンツをつくるための利用モデルを開発する。地域の 情報コンテンツと教育、コミュニケーションが機能的、かつ効果的に統合された初のシステム の実現を図る。

開発にあたっては、昨年度開発した仮想空間上の交流の場である「Piazza」と京都デジタル アーカイブの情報編集構造を基盤とする。これに様々な応用機能を追加し、複数の子供たち が地域に関するコンテンツを自由に組み合わせ編集したり、また自分で教材を作り、それを 追加するなどして学習することが可能な共同作業、共有の場を提供する。


2.狙い
このシステム開発の狙いは以下の3点である。

地域情報のデジタル化を促進する。
子供たちを中心とした、地域−住民−学校−先生などを結ぶ情報発信から相互編集 を行えるネットワークコミュニティをつくる。
教育現場におけるネットワークの利用とシステムを教材として活用する具体例を提示 する。

3.目的

地域情報を収集・編集・共有するための編集システムを開発する。
システムを教育現場で利用するためのモデルを開発する。
共同知をつくる場を形成する。

「共同知」=グローバルな問題解決のための知である「世界知」と個人が体験的
に獲得する「個人知」をつなぐもの)
世代間コミュニケーションの支援と知恵の流通システムの開発を行う。



Topic #2 -------------------------------------------------- ◇

・田中譲教授欧州へのIP普及の旅 第2弾報告   ・・・Topic #2
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田中 譲氏  北海道大学 知識メディアラボラトリー長

ヨーロッパ訪問に関して

今回は日立ソフト知識メディア管理工学講座(寄付講座)のNicolas Spyratos 教授と共に、ブ ルガリア、ギリシャ、フランスを回ってきました。 Nicolas Spyratos 教授はギリシャ生れで、現 在はパリ南大学(パリ11大学)のコンピュータサイエンス学科の教授であり、フランス最大の データベース研究グループのリーダです。

6月8日から12日
ブルガリアの古い歴史を持つ都市プロブディフで開催された「情報通信技術とプログラミング 国際会議」に出席し、IntelligentBoxを用いた情報の可視化のフレームワークについて発表。 Nicolas Spyratos教授はコンテクストに基づいた情報の組織化とアクセスに関する新しいモデ ルの提案を発表。

6月14日から15日
Nicolas Spyratos教授が客員教授を努めるクレタ島ヘラクリオンにあるコンピュータサイエン ス研究所を訪問。ここには広大な敷地の中にコンピュータサイエンス研究所の他にも多くの 研究所が建っている。コンピュータサイエンス研究所のすべての教授と研究を紹介し合い今 後の研究協力の可能性を探った。結果として美術館応用をフィールドにして、オントロジーと マルチメディアの研 究をされているPanos Constantopoulos教授より、IntelligentPadと IntelligentBoxに関心が寄せられ、私と私のスタッフに対してオープンインビテーションを頂く と共に、人材交流の実現に関して打ち合わせが始まっている。このプロジェクトにはNicolas Spyratos教授も参加する。

6月16日
アテネにあるギリシャ最大の新聞社Lambrakis Pressのアーカイブ部門のディジタル技術部を 訪問。新聞画像のアーカイブに北大で開発したTransMedia技術を適用する可能性に関して 会合を持った。Lambrakis Pressのアーカイブ部門は同時にギリシャの文化遺産のディジタ ルアーカイブにも従事しており、The MiyakoやIntelligentBoxにも関心を寄せて頂いた。

6月18日
パリのEuroClid社を訪問。EuroClidはフランスの電総研に相当するINRIAの研究成果を産業化するためにスピンアウトの形で設立された5社の内の1つで、XMLとそのサーバ技術を基盤にして、研究機関向け特注システムの開発を行なっている。IntelligentPadの普及に関心を示して頂いたが、権利問題など、ビジネスとして付き合う際の条件の明確化が急務であるとの指摘を受けた。
総括すると、ヨーロッパには優秀な人材が数多く存在し、旧東欧においては、賃金は異常に安い。ヨーロッパ人に共通して、現在の米国主導の技術動向に対する危機感があり、知財の自由な交換流通を目指すミームメディアの考えに共鳴する人々は多い。大学や国立研究所の研究者とはすぐに共同研究に入ることができる。一方、ビジネスの世界に身を置く人々は、ミームメディアの考えには共鳴するものの、IntelligentPad Consortiumとどのような契約を結ぶとどのようなビジネスプランが可能となるのかが分かり辛く、心情的にはIPおよびIPCを応援したいという気持ちは持って頂くのであるが、その先に繋がりにくいというのが現状である。



Topic #3 ---------------------------------------------------- ◇

・MMCAコンテンツ制作支援への応募 ・・・Topic #3
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(財)マルチメディアコンテンツ振興協会が主催するマルチメディアコンテンツ支援事業の公募 に対し、IntelligentPad Consortium会員有志が企画をまとめ、去る6月28日に応募書類を提出しました。

今回応募の題材は、現在北海道大学と多摩美術大学が参加し、IntelligentPad Consortiumの支援の元行われている「思考の道具としての研究開発」です。新しい発想に基づいた旅行計画作成をテーマとし、データベースとの連携を行いながら、ネットワーク上で多人数で議論し一つの計画に集約 するというもので、この一連の協調作業を行うプロセスを楽しめるような、新しいコンテンツ作 成を狙いとします。

制作テーマのポイント:

旅行業界は一種の情報産業であり、顧客とのインターフェースへの情報技術の活用はこれからの課題である。

旅行計画の作成に際して旅行関連会社のデータの活用を図り顧客と新しい関係を確立するることで、新しいビジネスの可能性が開けてくる。
独創性:ネットワーク上の協調作業を伴う計画作成(プランニング)問題を扱うマルチメディアコンテンツはほとんど例が無い。

開発スケジュール:
1999年10月 − 2000年9月

当公募の結果は、9月上旬に明らかになる予定です。







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