第一回パッドコンテスト パッドウエア部門応募作品

石川 栄一


     作品名:制御系CAIシステム
 応募作品の概要:自動制御工学の初歩的な学習支援のための
         CAIシステム 
      氏名:石川 栄一


自動制御系CAIシステムVer.2.0
for IntelligentPad Ver.2.01J

名称:自動制御系CAI Ver.2.0
登録名:CAIMac20.cpt
作者:石川 栄一
掲載者名:石川 栄一
動作環境:Macintoshシリーズ
掲載月日:1997/7/15(予定)
作成方法:Compact Pro J-1.51
サポート:随時
種別:フリーウェア
転載条件:なし

CAIMac20.DOC

CAIMac20.snp


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「使用法」
とりあえず動かしてみたい方は「シミュレーション」から読んで下さい。

(保証記のパラメータの設定)

1. 自動制御系CAIシステムの負荷を「1」に設定します。

2. 補償器がPID補償器の場合、「補償器」パッドと「パラメータ設定」パッドを利用しジーグラ・ニコルスの限界感度法にてパラメータを設定します。


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◎ジーグラ・ニコルスの限界感度法

 PID補償器をP動作とし(T i=∞、T d=0)、持続振動が始まるまでパラメータKPを(本シミュレーションの場合は「1刻み」)増加させ、持続振動(安定限界)の時のゲイン(Kp=Kc)と周期(Pc)を求め、これより「Kp」「Ti」「Td」の各値を決定します。

まず、「補償器」パッドを開き「Ti」および「Td」にゼロを入力します。
「パラメータ」設定パッドを利用し「Kc」の値を「1刻み」で増加させてゆき、その都度、左下の「開始/停止」ボタンをクリックしてパラメータ設定のための応答を調べます。

3. 持続振動(発散も収束もしない状態) 「安定限界」になったときの、PID 動作のパラメータは「Kp」「Ti」「Td」の各数値、PI動作は「Kp」「Ti」の各数値およびP動作は「Kp」の値が各動作におけるパラメータになります。


4. このように、本制御系CAIシステムでは、パラメータ設定パッドにて、各パラメータが自動的に決定されます。決定したPID,PI,P動作の各パラメータを、各動作に対応した補償器パッドのパラメータ入力スロット(Kp,Ti,Td)に設定します。


◎なお、本制御系CAIシステムでは初期値として、サンプリング間隔1秒における適当なパラメータを設定してありますのでCAIシステム左下の「開始/停止」ボタンをクリックしますと、サンプリング周期「1」の場合のシミュレーションを即座に実行できます。


「シミュレーション」

1. 本制御系CAIシステム下部に貼り付けてある「液面制御系」または「温度制御系」パッドを開き、目標値を設定した後「開始/停止」ボタンをクリックしますと、サンプリング周期「1」の場合の過渡応答のシミュレーションが実行されます。なお、目標値は「0」から「1」の範囲で設定して下さい。


2. 「温度制御系」では「目標値*100」が制御量になるようにしてあります。負荷に設けてある縦スライダーの値を変化させますと、制御対象の伝達関数が変わり応答も変化します。
再度「開始/停止」ボタンをクリックしますと、サンプリング周期が「0」になり温度制御系のフィードバック自動制御のシミュレーションは停止します。オーバーシュートする場合は「Kp」の値を小さくするなどして微調整してください。

3. 「信号値表示」パッドでは、各要素の信号をグラフで確かめることができます。目標値を変える場合は数値パッドに直接、値を入力するか、スライダの適当な位置をクリックします。

4. 「制御対象」パッドでは、無駄時間、感度を自由に可変できますので、適当に変えてシミュレーションを行うことができます。その場合、「パラメータ」設定パッドにて再度、最適なパラメータを決定しなければなりません。

5. 制御系CAIシステムの「補償器」パッドを開き、「リミッタ」の値を「1」にしますと、補償器からマイナスの値が出力されなくなります。また、手続きの多少の修正で、リミッタのレベルを変更することもできます。


6. 補償器は、PID補償器に限らず、プログラムを変更すると、別の補償器としてのシミュレーションを行うことができます。

「手動制御」

1. 目標値を「0」から「1」の範囲で設定し、本制御系CAIシステム下部にある「自動/手動」パッドを開きます。スイッチパッドをクリックし自動(黄色)から手動(ピンク色)に切り替えます。

2. 次に「開始/停止」ボタンをクリックしますと、手動制御を行うことができます。操作量は手動操作量の横スライダをクリックするか、数値パッドに直接、値を設定します。「目標値=制御量」になれば完璧です。

3. 「外乱」や「負荷」を適当に変化させながら手動制御の実験を行ってください。「外乱」や「負荷」を変化させると一段と手動制御が難しくなりますので自動制御の効果を再確認することができると思います。

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◎自動制御系CAI システムVer.1.0からの改善点

1. 手動制御を行うことができます。


2. 目標値、偏差、外乱、制御量、帰還量に縦スライダパッドを結合しました。これにより、各部の信号値を視覚的に判断することができます。

◎自動制御系CAIシステムVer.1.1からの改善点

1. プロセス系パッドをよりリアルにしました。たとえば、プロセス系パッドの補償器に直接パラメータを入力できます。また補償器の出力と外乱にバルブを設けました。

2. CAIパッドの各信号値や要素の背景色および前景色の改良。

◎自動制御系CAIシステムVer.1.2からの改善点

1. アイコンを改良しました。
  したがって、各部の「ブロック」や「信号値名」をクリックするとパッドが開きます。

2. 「開始/停止」ボタンを新設しました。
  シミュレーションを行う際の操作が大変楽になったと思います。停止した場合は全ての値を初期化(クリア)するようにしました。(ただし目標値および外乱はクリアしません)

  補償器や制御対象などに初期値を入力したい場合は、それぞれのパッドのスロットから入力して下さい。


◎自動制御系CAIシステムVer.1.3からの改善および変更点

1. 負荷を加えられるようにしました。これにより負荷の変動に対する応答を調べることができます。

2. プロセス系は温度制御系に変更しました。制御対象であるタンクの伝達関数については、負荷が「1」の時は「1次遅れと無駄時間」要素に、負荷が「0」の時は「積分と無駄時間」要素に近似しております。


◎自動制御系CAIシステムVer.1.4からの改善および変更点

1. 液面制御および温度制御のシミュレーションを同時に行うことができます。

2. リミッタを設けました。この結果、補償器からマイナスの出力を抑えることができ、システムによっては、実際に近いシミュレーションを行うことができます。

3. 画面スタイルは、パッドの3D効果やデザインなどの改良により、リアルな表現になりました。

「注意事項」

1. 自動制御系CAI Ver.1.5は、IntelligentPad Ver.2.01Jを御試用下さい。

2. 画面サイズ等の使用を変更する場合は、属性の操作保護の指定を解除してから行って下さい。

3. モニタは、13インチ以上のカラーモニタ、32000色以上で使用されるようお勧めします。

4. フォントは、Times, Osaka、細明朝体、リューミンライト-KLをインストールしてください。

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◎ファイルのインストールとIPadの起動について

CAIMac20.snpファイルをIPadのSnapshotsフォルダに格納してから起動して下さい。

1997年7月15日
石川 栄一